夢の続きを、あなたと

雨の向こうに見えたもの

 雄馬の言葉の通り、アトリエの外に出ると、雨が降っていた。
 スマホを取り出して天気予報と雨雲レーダーをチェックすると、雨は当分止みそうにない。油断すれば、雨脚は強まる一方だ。
 これは素直に言うことを聞いて車で送ってもらうしかないと思った私は、雄馬が入口に車を回してくるのを待った。

 アトリエは中から施錠をして、雄馬は裏口から駐車場へ向かったようだ。
 軒先で雨宿りをしていると、昨日ここへ到着した時のことを思い出す。
 少しして、雄馬の車がアトリエの正面入口前に横付けにされた。

 車はワンボックスの普通車だ。こんな大きな車に乗るのは、きっと家具の材料などを運搬するのに役立つからだろう。

 助手席のドア開き、私は急いで車に乗り込んだ。
 車のドアを閉めた後、シートベルトを締める時に後部座席に視線を向けた。案の定、後部座席は自宅でも家具作りの作業をしているのか、材木や他の資材が積んである。

「よし、じゃあ行くぞ」

 雄馬はそう言うと、車を走らせた。
 
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