夢の続きを、あなたと

選択

「それで、梶田さんはなんて返事したの……?」

 曾我さんの問いに、私はまだ話が終わっていないと言葉を続けた。

「返事はまだしていません。もし仮に、私が職人の道に戻れば、私がその廃材を使って理想とする雑貨を作ることができます。けれど……」

「けれど?」

「私をヘッドハンティングしたのは、こもれびではなく、同級生である彼個人です。彼は半年後、三十歳になるのを機に独立するそうでして」

 私の言葉を一言一句聞き逃さないよう、曽我さんは食い入るように私の言葉に耳を傾けている。

「独立するだけなら、私も『そうなんだ』で聞き流すところでしたが……、彼の地元である和歌山で起業するそうです」

「和歌山!?」

 曽我さんが驚くのも無理はない。
 和歌山だと、こもれびみたいに簡単に足を運べるような場所ではない。

「彼は独立起業するので、一人親方状態です。営業担当と、廃材を使った雑貨制作の部門でヘッドハンティングの話を持ち掛けられておりまして……」

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