さっちゃんの足跡

3. お喋り

 さっちゃんはいつもいつもお喋り。 たくさん口を動かして何か喋ってる。
パパは不思議そうな顔で「何て言ってるんだろう?」って言ってる。
 ママは「そうだよねえ。 パパは分かってくれないのよ。 さっちゃんはいろいろとお喋りしたいのにね。」って笑ってる。
 さっちゃんが言うのは、あーとかうーとかまーとかやーとか、、、。
パパはそれを聞きながら「やっぱり分かんねえや。」ってそっぽを向いちゃった。

 そんなさっちゃんもいつの間にか3歳になった。 それでママはさっちゃんに聞いてみた。
「さっちゃんさあ、おっぱいを飲んでる時に何か言ってたけど何て言ってたの?」
「うーーーーん、忘れた。」 その返事にママは吹き出してしまったんだ。
「そっか。 さっちゃんでも忘れることが有るんだ。」 「だって、そんな前のことなんか覚えてないよ。」
「そうだよなあ。 ビデオにでも撮ってたら思い出したのになあ。」
 屋根の上を白い雲が流れていく。 誰に言われたわけでもなく、誰と約束したわけでもなく。
さっちゃんももうすぐ幼稚園に通うんだね? どうなるのかなあ?
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