憧れだった貴方と恋をする〜左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる〜

遥海は心配はしてないようで

「でも、さくらが俺の彼女なのは事実だから……バスケやっててめっちゃ話しが合うし料理も上手い、俺を支えてくれるんだよ」

「そっか」

「女子にどう話すか……」

男友達は考えていたようだ。


「別に普通に彼女でよくないか?俺は隠すつもりはないけど?」

「でも、あいつら遥海の事が好きだと思うよな」

「間違いない」

そっかなと遥海は言った。

「別に告られてないし」

それは一緒にいたいからだよと友達に言われた。


「まぁ……午後の授業行くか」


「おぅ」

遥海は前の席に、友達2人は後ろの席に座った。

講義が終わると女子が寄って来て、何でさっき、黒河さんといたの?とまた聞いてきたが、病院に行くからあいつらから聞いてくれと急いで教室を出た。


「どういう事?」と男子2人は詰め寄られた。

そこで友達二人は遥海が黒河さんと付き合っている事をさっき聞いたと女の子達に話したのだった。

「はあ?」
「いつの間に…」
「許さない!」

「おいおい、遥海に嫌われるぞ」

「…だって悔しいもん」

「俺らだって気づかなかった、それだけ急だったし何か惹かれるものがあったんだよ」

「そうだよ、夏休みには遠距離の彼女と別れてたらしいから」

「最近さ、遥海が笑うと思わないか?きっと楽しいんだよ」

女子達は顔を見合わせて男子たちから離れていった。




次の日からはつるんでいた女子達は遥海に寄ってこなくなった。


男友達2人は一緒にいて、水曜日は私と舞子と5人でいる事が多くなった。


3週間がすぎた頃には松葉杖はなくなり、サポーターだけの固定となった。


バイト休みの水曜日、部屋で2人でくつろいでいると、遥海くんは自転車に乗れるようになったから明日から家に戻るよと言った。
< 33 / 36 >

この作品をシェア

pagetop