憧れだった貴方と恋をする〜左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる〜
優しい遥海くん

完全に治るまでいいのにと言ったのだが、同棲じゃないからいつまでもさくらに甘えるのも違うと言われた。


甘えすぎてダメになっちゃうとも……


普段はデートが出来ないから水曜日はゆっくり話そうとも言ってくれた。


ちゃんと付き合い方も考えてくれてる。


そのかわりバイト休みの水曜日の部活終わりは家に寄り泊まるからと約束してくれた。

親に少し食費を仕送りしてもらうようにお願いもしたらしい。



さくらは怖かったけど、「別れるとか言わないで」と聞いてしまった。

「別れないよ(笑)そんなの只のクズ男になるじゃん、それが嫌だから家に戻るんだよ」

「わかった、変なこといってごめん」

「不安だった?」

「少しね、でも、もう大丈夫」



ある日の昼休み、さくらは舞子と構内のカフェで昼食をとっていた。


「お昼は一緒に食べないんだね」

「あ、うん、昼はね元々部室に行って食べてたみたいでね」

ゼミの友達とも食べてなかった事を話した。


「遥海くんは部活が終わってすぐバイトに行くから部活の友達と遊ぶ事は出来なくてね、何人か部室で食べる人がいて、部活内のコミュニケーションをとってたみたい」

「そっか」

「私はね、バスケやってる遥海くんが凄く好きなの、実はこの指輪で自分自身も変われたのね」


「指輪?どういう事?」

さくらは左小指のピンキーリングの意味を舞子に話した。


「そういえばその指輪を買ってから仲良くなっていったね」

「うん!」

「最初はさくらのお金を当てにしてると思ったけど、ちゃんとしてくれてるね、手を出されてないのがびっくりだわ(笑)」

「怪我が完全に治るまではって言ってくれたの」


キスはたくさんしてくれたけど一緒に生活している間はそれ以上のことはしなかった。

自分なりのケジメみたいだった。

< 34 / 36 >

この作品をシェア

pagetop