陽だまりのエール
沙優が帰った後、私はリビングで、週明けの会議資料の作成を続けた。
疲れを感じて一息つき、壁の時計を見上げると、もう午後八時を指していた。
時間を忘れて取り組んだおかげで、なんとか形になってきた。
一旦休憩を入れようと、両腕を突き上げて大きく伸びをする。
そして、パソコン画面、作成途中のパワーポイントを見遣った。
思い返せばーー。
辞書を引かなければわからない、知らない単語が出てきた時とか。
ネット検索以外で、情報を得る手段を探した時とか。
今までの私は、真っ先に陽希を頼ってきた。
彼から助言を受けず、一人で進めているせいか、いつにも増して要領が悪い気がする。
いつのまにか私、陽希に甘えて楽するのが当たり前になっていたんだなあ……。
「社会人としてどうなのよ……」
自分が不甲斐なくて、パソコンから顔を背けた。
テーブルに突っ伏し、そっと目を閉じる。
すると、陽希の顔が脳裏に浮かんできた。
陽希とは、もう十年以上一緒にいる。
沙優がシェアハウスを卒業した三年前からは、二人きりで生活してきた。
その間、恋人同士だったことも、そんな雰囲気になったことも一度もない。
それでも、私が一番陽希のことを知っているつもりでいた。
だけど、本当はなにもわかっていなかったのかもしれない……。
ふと目を開くと、傍らに置いてあったスマホが視界に映り込んだ。
引っ張り寄せて、画像フォルダを開く。
ここ数年、ほとんどアルバム整理をしていない。
一番最近の画像から遡ってみると、陽希が写っている画像はたくさんあった。
自撮り棒を使って、二人で写っているものもある。
改めて見ても、特別なにかしていた時ではない。
だけど、どの画像の陽希も私も、楽しそうに笑っていてーー。
そう、楽しかった。
陽希と二人なら、いつもいつも。
それなのに、もうすぐルームシェアが終わるなんて信じられない。
陽希とお別れなんて、信じたくない……。
疲れを感じて一息つき、壁の時計を見上げると、もう午後八時を指していた。
時間を忘れて取り組んだおかげで、なんとか形になってきた。
一旦休憩を入れようと、両腕を突き上げて大きく伸びをする。
そして、パソコン画面、作成途中のパワーポイントを見遣った。
思い返せばーー。
辞書を引かなければわからない、知らない単語が出てきた時とか。
ネット検索以外で、情報を得る手段を探した時とか。
今までの私は、真っ先に陽希を頼ってきた。
彼から助言を受けず、一人で進めているせいか、いつにも増して要領が悪い気がする。
いつのまにか私、陽希に甘えて楽するのが当たり前になっていたんだなあ……。
「社会人としてどうなのよ……」
自分が不甲斐なくて、パソコンから顔を背けた。
テーブルに突っ伏し、そっと目を閉じる。
すると、陽希の顔が脳裏に浮かんできた。
陽希とは、もう十年以上一緒にいる。
沙優がシェアハウスを卒業した三年前からは、二人きりで生活してきた。
その間、恋人同士だったことも、そんな雰囲気になったことも一度もない。
それでも、私が一番陽希のことを知っているつもりでいた。
だけど、本当はなにもわかっていなかったのかもしれない……。
ふと目を開くと、傍らに置いてあったスマホが視界に映り込んだ。
引っ張り寄せて、画像フォルダを開く。
ここ数年、ほとんどアルバム整理をしていない。
一番最近の画像から遡ってみると、陽希が写っている画像はたくさんあった。
自撮り棒を使って、二人で写っているものもある。
改めて見ても、特別なにかしていた時ではない。
だけど、どの画像の陽希も私も、楽しそうに笑っていてーー。
そう、楽しかった。
陽希と二人なら、いつもいつも。
それなのに、もうすぐルームシェアが終わるなんて信じられない。
陽希とお別れなんて、信じたくない……。