御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
翌朝、目が覚めた瞬間、私は思わず隣を見るのをためらった。

昨日のことを思い出すと、顔が熱くなってしまう。

律さんも同じように、天井を見つめたまま身動きひとつしない。

静かな空気の中、ぽつりと律さんが呟いた。

「……ごめん。俺、千尋のことちゃんと考えずに、何回も……」

その言葉に、私もベッドのシーツを握りしめたまま、顔を赤くする。

でも、不思議と嫌な気持ちは一つもなかった。

「いいの。……おかげで、ほら、再確認できたし。」

「再確認?」

律さんが不安そうに私の方を振り返る。

私は枕に顔を押しつけるようにして、声を絞り出した。

「……愛してるって、再確認……できたでしょ?」

その瞬間、律さんが背中を向けて悶え出した。

「ちょ、ちょっと待って、千尋。可愛すぎる……無理……」

「な、なによ!」

思わず枕を投げると、律さんはうずくまりながら笑った。
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