御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
今、この瞬間――

誰のことも思い出せないくらい、私だけを愛していると、伝わってくる。

私はその熱を、深く、受け止めた。

そして――

涼花さんからのメールは、途切れることなく届き続けた。

《今、少し心が折れそうなの》

《律の顔が見たい》

《お願い、話を聞いて》

そのたびに、律さんの表情は曇っていく。

「……気になるの?」

思いきって訊ねた私に、彼は肯定も否定もしなかった。

ただ静かに、目を伏せて言った。

「こんなにもしつこく連絡してくるなんて……今までなかった。」

その声には、どこか彼女を心配するような、弱さがにじんでいた。

私は一瞬、嫉妬に胸がざわついた。

でも、きっと――私が同じ立場でも、心配になる。

好きだった人から「助けて」と言われたら、無視なんて、できない。

「……会ってもいいよ。」

そう言った瞬間、律さんが小さく息をのんだのが分かった。
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