御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
一週間後のある日。

いつものように仕事をしていると、滝君が内線を取って、不思議そうに私をじーっと見てきた。

「……どうしたの?」

「朝倉さん、お客様です。」

「私に? 誰?」

思わず自分を指差すと、滝君が言いづらそうに口を開いた。

「それが……石原涼花だって。」

「えっ⁉」

驚いて、思わず立ち上がった。

「……本物?」

「いや、偽物はいないと思いますよ?」

冗談のような返しが、かえって現実味を帯びさせた。

律さんの元婚約者。

宣戦布告?

それとも、ただの挨拶?

そんな疑問が頭をよぎる中、私は急いで受付へと向かった。

そこにいたのは、やっぱり本物の“石原涼花”だった。

洗練されたスーツに、抜群のスタイル。オーラすら放っているようだった。

でも、負けない。

私は、今の奥さんなんだから。

「ええっと、朝倉千尋です。主人が以前、お世話になったそうで。」
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