御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
(朝からこんなスリリングな展開……心臓に悪すぎる!)

急いで身なりを整えてリビングに駆け込むと、お母様は既にソファーに腰を下ろし、コーヒーを手にしていた。

「おはようございます、お母様。」

「おはよう、千尋さん。急にごめんなさいね。律にちょっと話があって。」

「……あっ、はい。」

緊張で声が少し上ずる。昨夜の“熱”がまだ体に残っている気がして、私は視線をそらした。

するとお母様が、コーヒーを口にしながら小さく言った。

「律……あんた、浮気してるわね。」

「……え?」

あまりに突飛なその言葉に、私はその場で固まった。

お母様の視線はするどい。何かを見抜くように、律さんをジッと睨んでいる。

「う・わ・き〜〜〜〜!」

お母様、しっかり聞こえてますけど!?

「何言ってるんだよ!」

律さんが立ち上がり、耳が真っ赤になっていた。

「俺は浮気なんかしてないって!」
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