御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
そう言ってバスルームに逃げ込むように入った。

ドアを閉めた瞬間、背中がドクドクと鼓動に打たれる。

律さんと同じベッド──今夜は、たぶん、熱い夜になる。

その時、バスルームのドアがカチャッと音を立てて閉まる。

律さんは平然とシャワーを捻り、私の隣に立った。

「えっ?律さん⁉」

私は思わずタオルで胸元を押さえて、身をすくめた。

「……今更でしょ?」

笑いながらそう言う律さん。

濡れた髪が額にかかり、水滴がゆっくりと肌をつたう。

肩幅の広い身体、鍛えられた胸筋、そして引き締まった腹筋。

──こんなに、色っぽかったっけ……?

いつもスーツで隠れていた身体のラインが、目の前でさらけ出されている。

シャワーの水音が、ますます鼓動を早める。

「そっち、狭くない?」

律さんが一歩、私の方へ近づいてきた。

「だ、大丈夫……!」

私はタオルをぎゅっと掴んだまま、後ろに一歩下がった。
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