御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
立ったまま、バスルームの壁に支えられながら、私達は何度も重なっていく。

「ああ……千尋……可愛すぎて……」

熱を孕んだ声が耳元をくすぐる。

律さんの中にある感情が、全部私に注がれてくるようで──

「もう……限界……行くよ、千尋……!」

律さんの体が震え、次の瞬間、私の奥に彼の熱が流れ込む。

全身が熱くて、溶けてしまいそう。

「んっ……あ……ああ……」

私も一緒に達して、力が抜けていく。

律さんの腕に全体重を預けると、そっと抱きしめられた。

「大丈夫?……辛くなかった?」

「ううん……嬉しかったよ……律さんと、ちゃんと繋がれて……」

お湯の音だけが静かに響く中、二人で額を寄せ合う。

「千尋。」

唇が重なり、さっきよりも穏やかなキスを交わす。

「ありがとう……俺を、選んでくれて。」

泣きそうなくらいに、結婚相手が律さんでよかったと思える夜だった。
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