御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
翌日は、ホテルに備え付けのナイトプールで楽しんだ。

「律さん!」

私は日本から持って来たビキニを着て、プールサイドにいる律さんに手を振った。

「えっ⁉」

律さんの視線が、私の胸元に固定される。

「……千尋の胸、こんな大きかった?」

「もうっ!」

私は律さんの腕を叩いた。

実はビキニの中にパットを入れて寄せている。

密かにこれは、効果があったかもしれない。

嬉しくて、私は律さんの腕に絡みついた。

その時だった。

「千尋、俺の背中に隠れて。」

「えっ?」

何かったと思い、彼の背中に隠れた。

「何?何事?」

すると律さんはゴホンと咳ばらいした。

律さんがゴホンと咳払いした先には──視線を向けてきたのは、明らかに地元の若い男の子たち。

「千尋のこと、ジロジロ見てた。」

低く落ち着いた声だけど、内心は嫉妬で燃えているのがわかる。

その証拠に、背中越しに感じる彼の体温がやけに熱い。
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