御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
律さんは困ったように笑って、そっと彼女の頬にキスをした。

「Sweet?」

女の子はしばらく考えて──

「Hmm. I don't know.」

そう言って小首をかしげる姿がたまらなく愛らしかった。

私は微笑んでその子の頭を撫でた。

「Maybe when you fall in love someday, you'll understand.(きっとね、恋をした時にわかるよ)」

「Okay. I’ll wait.」

そう答えてにっこり笑う彼女に、私も思わずにっこり。

「もうっ!律さんってば、モテ過ぎ!」

私はぷくっと頬を膨らませて、わざとらしく怒ったふりをした。

でも笑いがこらえきれなくて、つい吹き出してしまう。

「ハハ……千尋のそういうとこ、ほんと好き。」

律さんが、優しい眼差しで私を見つめていた。

水に濡れた髪が額にかかっていて、ほんのり陽に焼けた肌がまぶしい。
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