御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
家に帰ってソファに沈み込むと、社用のスマホが震えた。

画面には、“神楽木律”の文字。

──はやっ。もう連絡きた。

開くと、シンプルな一文が表示されていた。

《お仕事、お疲れ様です。今日はどうでしたか?》

……いや、それを訊きたいのはこっちの方ですよ。

でも、社用のスマホに来たメールは、基本的に“前件返信”が鉄則。

スルーするわけにもいかず、私はひとまず無難に返した。

「驚きましたっと……」

送信ボタンを押した直後、スマホがすぐに震えた。

《僕は、運命の出会いだったと思いました。》

……でしょうね。
だって、プロポーズしてきたんだもん。初対面で。

画面を見つめたまま、私は思わずため息をついた。

この人、常に本気で来るんだよな……。

「それは……よかったです?」

返信しながらも、自分でもこの“絶妙な距離感”がよくわからない。

敬語をやめていいのか、続けるべきなのか。

結婚を申し込まれた相手に、私は今、どう接するべきなのか。
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