御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
そして律さんは、迷いなく会社に休みを取ってくれた。

「一緒に行くに決まってるだろ。最初の診察なんだから。」

その言葉に胸が熱くなる。

病院の待合室で、私の手を握ってくれている律さん。

その温もりが、妙に心強かった。

名前を呼ばれて、診察室へ。

超音波検査の準備が整い、エコーのモニターに映し出される小さな影。

「……見えますか? これが赤ちゃんです。おめでとうございます。妊娠と言って間違いないでしょう。」

先生の穏やかな声に、私は胸がいっぱいになった。

「これが……赤ちゃん……」

そうつぶやいた私の隣で、律さんも無言のまま画面を見つめている。

言葉が出ない。でも、手に伝わる力が強くなっていた。

先生がエコー写真をプリントアウトして渡してくれる。

「ほら、これが頭で、ここが体です。」

私は震える手で写真を受け取った。

隣から伸びてきた律さんの手と、自然と重なる。

「本当に……家族が増えるんだね。」
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