御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「お邪魔します。」

差し出された手土産は、高級店のスイーツ。

だけど私の作った料理を見た瞬間、その目が嬉しそうに細まった。

「うん、美味しい。」

律さんはネクタイを外し、スーツの上着をソファの背にかけると、すっとくつろいだ空気になった。

「仕事ができる人って、料理はあんまり気にしないかと思ってたけど……意外と、ちゃんとしてるんだね。」

「一人暮らしが長いから。自然とね。」

気がつけば、二人並んでDVDを見ていた。

恋愛映画。私が選んだもの。

最初は少し気恥ずかしかったけど──

ふいに、律さんの腕が私の肩をそっと抱いた。

「……!」

ドキッとしたけど、無理やりではなく、守るような優しさだった。

画面の中では主人公たちが愛を確かめ合っている。
でも、私の視界にあるのは──隣の彼の、真剣な瞳。

気づけば、その瞳に映っていたのは、私だった。
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