御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「前に、そこにテレビ置いてたんだよ。そしたら、なんかもう電子レンジも置くようになってさ。気づいたら、寝室から一歩も出ない日が続いて……」

「つまり?」

私は彼の話を途中で遮った。

「要するに、テレビ置くのは禁止。」

「……そういう事。」

私たちは顔を見合わせて、思わず吹き出した。

こんな風に、笑いながら毎日を重ねていけたら――

私は心の中で小さく願った。

「じゃあ、リビングには大型テレビ置こうか。」

「それはアリ。」

「あと、ソファもL字型がいいな。」

「OK。君の希望、全部叶えるから。」

律さんの言葉が、ふと胸に沁みた。

――この人となら、ちゃんと幸せになれるかもしれない。

そう思いながら、私たちは手をつないで寝室を後にした。
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