御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
しばらくして、無理がたたったのか、私は熱を出して寝込んでしまった。

「仕事のし過ぎじゃない?」

そう言って律さんが体温計を差し出してくれる。

「いつもこんな程度で熱を出すような人間じゃないんだけど……」

言いながら、私は体温計を脇の下に挟んだ。

ピピピッと音がして取り出すと、36.9度。

微妙ー……。

なのに、何なの?この火照り。身体が重くて仕方ない。

「環境が変わると免疫が落ちるって言うから、あまり無理しない方がいいよ。」

そう言って、律さんはベッドの奥にある小さな書斎スペースに腰を下ろした。

「律さん、今日仕事は?」

「今日は午前だけ会議があったけど、リモートに切り替えた。千尋が寝込んでるのに、家を空けられるわけないだろ。」

その言葉が、なんだか嬉しかった。

でも同時に、申し訳なさも湧いてきて――。

「そんな……ごめんね。私のせいで……」
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