御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「違うでしょ。」

律さんはくるりと椅子を回して、こちらに優しく微笑む。

「夫婦なんだから、こういう時はお互い様。何も遠慮することない。」

その言葉に、胸の奥がふわりと温かくなる。

ああ、やっぱり私はこの人と結婚してよかった。

「お昼、食べられそう?」

「うーん……おかゆなら。」

「よし。ちょっと待ってな。愛情たっぷりの、優しいやつ作るから。」

そう言って立ち上がる律さんの背中を、私はぼんやりと目で追った。

どこまでも、優しい人――。

この人を、もっと大事にしたい。もっと、頼っていいんだ。

そう思えた、微熱の昼下がりだった。
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