御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
そして30分後、律さんは熱々の玉子おかゆを作ってくれた。

「うーん!美味しい!」

一口食べて、思わず笑顔になる。

前も思ったけれど、律さんって卵の使い方が絶妙に上手い。

固すぎず、柔らか過ぎず、口の中でとろけるちょうどいい食感。

塩気も控えめなのに、しっかりと味がある。

「そんなに美味しそうに食べるんだ。」

向かいから嬉しそうに見つめてくる律さん。

「うん、だって美味しいもん。」

律さんは身を乗り出して、私のおでこに自分のおでこをそっとくっつけた。

「普段作ってるおかゆで、そんなに嬉しくなるんだったら、何度でも作るよ。」

その声がくすぐったくて、私は照れくさく笑った。

おでこが重なる距離、彼の体温がほんのり伝わってくる。

「……熱、下がってきたね。」

そう言って、律さんが真剣な表情でうんうんと頷く。

「千尋が元気じゃないと、俺も心配で仕事にならないからさ。」

「ふふっ。もう、ちょっと大げさ。」
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