御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
翌朝、私は張り切ってお弁当作り。

「よし、三色そぼろできた。」

そぼろに炒り卵、ほうれん草のナムル。バランスも見た目もばっちり。

「おっ、愛妻弁当だね。」

スーツ姿の律さんがキッチンに現れた。

「はい、楽しみにしててください。」

お弁当箱を差し出すと、律さんは嬉しそうに受け取って笑った。

その笑顔に見送られて、私も気分よく出勤。

オフィスに入ると、さっそく滝君が声をかけてきた。

「朝倉さん、今日機嫌いいですね。」

「うん、まあね。」

すると滝君がすっと近づいてきて、耳打ちするように呟いた。

「……最近も、すごいんですか?」

「は?」

「いや、この前も玄関でなされたって噂がありましたし。最近はどこで“致して”いるのかな~と。」

私は咳払いを一つして、冷静に言った。

「してないけど。」

滝君は目を丸くした。

「新婚なのに?」

滝君のその一言に、私は肩をすくめて答えた。

「いや、元々そんなにするものじゃないでしょ?」
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