御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
あの、軽く流されたメッセージ。

気にするなと言われたけど──忘れられるわけがない。

「すごいですよ、あの石原グループのご令嬢って。グラビア出身で今は女優業もこなしてるし、起業もしてるとか。」

滝君の声が遠くに聞こえた。

指が震える。

ページをスクロールすると、さらっと書かれた一文に目が止まった。

《過去には、神楽木グループ御曹司との交際が報道されたこともある。》

息が止まった。

──やっぱり、律さんだったの?

なぜ、そんなことを私に隠していたの?

なぜ、“気にするな”だけで、終わらせたの?

滝君が横から覗き込む。「朝倉さん、顔色悪いっすよ?どうしたんです?」

「……ううん。なんでもない。」

そう言いながら、スマホをそっと滝君に返した。

でも、胸の奥に広がっていくのは、不安と疑問。そして──少しの嫉妬だった。

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