御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
──そして、決定的なものを見てしまったのは、その夜だった。

洗濯物を片づけようと、クローゼットの中に手を伸ばしたとき。

一番奥の、普段あまり開けない引き出しに、見慣れない小箱がそっと置かれていた。

濃いブルーのベルベット。高級感のある質感に、ほんの少し胸が高鳴る。

「……律さん、こんなところに隠してたんだ。」

誕生日?記念日?それとも──サプライズ?

私は、完全に自分のためのものだと、疑いもなく蓋を開けた。

だが。

「……えっ……」

息を呑む。

中にあったのは──煌めくダイヤモンドが埋め込まれた、婚約指輪だった。

それだけじゃない。

内側に、金色の細い文字で刻まれていた。

― Love forever

……そしてそのすぐ横に、もう一文字。

SUZUKA

「……っ⁉」

手が震えた。

頭の中で、何かがバラバラと崩れていく音がした。
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