三十一音の星を集めて

第三話

三ツ橋くんから手紙が来なくなって、一週間以上が経った。

そしてコンビニエンスストアで倒れたふわふわパーマのあの彼が、昨日、お礼の品を持ってお詫びに来たらしいけれど、私のアルバイトの時間ではなかったので、会えなかった。



もうすぐ夏休みになってしまう。

そうしたら三ツ橋くんとの手紙交換は、きっと途絶えたままで、そのうち自然消滅してしまうかもしれない。



手紙に連絡先を書いておけば良かった。

そうしたらこんなことにはならなかったのに。



(でも……)



三ツ橋くんからの手紙に私、夢中だった。

初めて男の子と手紙交換をしたけれど、楽しかった。

スマートフォンや携帯電話がなかった時代に青春時代を過ごした祖母は、祖父とこんなふうに手紙のやり取りをしていたのかなって、心のどこかでときめいていた。



三ツ橋くんのための短歌を、いつか詠めたらいいのにって。



(あぁ、そうか)



登校中、学校の校門前の坂道で、私はまだ明るい空を見上げた。
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