三十一音の星を集めて
教室に着くと、私達の他には誰もいなかった。

窓のカーテンが閉められていて、私はそれを開けながら、
「こっちです」
と、三ツ橋くんを手招きした。



夜の空をふたりで見上げる。

月は雲に隠れていて、星もあんまり見えない。



「あまり見えないですね……」



残念に思いながら言うと、三ツ橋くんは夜空をじっと見つめて嬉しそうに、
「静かな空ですね」
と、言った。



「あっ、ほら見て、梶山さん!」



三ツ橋くんの指差す方向に視線を合わせると、キラキラ輝く星を見つけた。

瞬きが美しく、一番星かなって思っていたら、
「多分、人工衛星です」
と、三ツ橋くんが笑った。



「えっ! そのテンションで言われたから、一番星かと思いましたよ!」

「いや、紛うことなき人工衛星だと思います」

「嬉しそうに言いますねっ」

「はい。だってあなたの歌の世界に入ったみたいだから」



そう言った三ツ橋くんがふいに私のほうに顔を向けた。
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