靴に魔法をかけたのは
あのとき彼女が抱えていたのはしゃれっ気のないセール品だった。彼女なりの遠慮かもしれない。素直に捕まったのは、罪悪感が強かったのだろう。
自分ひとりでも謝りに来てくれる。本当はいい子なのだ、きっと。
少女は再び口を開いた。
「警察を呼ぶって言われて、すごく怖くかったです。だけど、そのおかげで離婚した父にも連絡がいって、父のところに行けることになったんです! 店長さんのおかげです! ありがとうございます!」
晴佳はとっさに言葉が出なかった。警察を呼んだことにお礼を言われるなんて、思ってもみなかった。
警察が監護者以外に連絡するなんて、普通はしないはずだ。彼らも母親を見て思うところがあったのだろう。
たまたま歯車がいい方向に動いただけだろうが、少なくともひとりは苦境から脱け出したのだ。心に、熱いものが沸き上がる。
「お父さんは優しい人?」
「はい。新しい靴を買ってもらえました」
彼女の足元を見ると、真っ白なスニーカーをはいていた。
「良かった」
なんだかそれだけで泣けてきた。彼女はもう、自分の足で歩いて行ける。
「いつか就職してお給料もらったら、今度はちゃんと買いに来ます。いいですか?」
「もちろん! 大歓迎!」
目を潤ませて答えると、彼女は涙をこぼして笑顔になった。
自分ひとりでも謝りに来てくれる。本当はいい子なのだ、きっと。
少女は再び口を開いた。
「警察を呼ぶって言われて、すごく怖くかったです。だけど、そのおかげで離婚した父にも連絡がいって、父のところに行けることになったんです! 店長さんのおかげです! ありがとうございます!」
晴佳はとっさに言葉が出なかった。警察を呼んだことにお礼を言われるなんて、思ってもみなかった。
警察が監護者以外に連絡するなんて、普通はしないはずだ。彼らも母親を見て思うところがあったのだろう。
たまたま歯車がいい方向に動いただけだろうが、少なくともひとりは苦境から脱け出したのだ。心に、熱いものが沸き上がる。
「お父さんは優しい人?」
「はい。新しい靴を買ってもらえました」
彼女の足元を見ると、真っ白なスニーカーをはいていた。
「良かった」
なんだかそれだけで泣けてきた。彼女はもう、自分の足で歩いて行ける。
「いつか就職してお給料もらったら、今度はちゃんと買いに来ます。いいですか?」
「もちろん! 大歓迎!」
目を潤ませて答えると、彼女は涙をこぼして笑顔になった。