靴に魔法をかけたのは



 嬉しい知らせは立て続いた。
 夕方には晴佳が出した提案書が通ったと連絡が来て、金曜日には急遽作られたポップが大量の靴とともに届く。この靴は皐月が誤発注したものだ。
 晴佳はバイトとともにそのポップでコーナーを作った。

「この靴、そんな人気なんですか?」
 大量に並べられた子ども用のスポーツシューズを見て、芽瑠がたずねる。
「人気アニメのキャラクターが同じ靴をはいているの」
 気付いたのは、本店の跡地で子供たちがこの靴を履いているのを見たときだ。

 追いかけて子どもに尋ねると、
「作者がこの靴を主人公にはかせたんだってよ!」
 と元気よく教えてくれた。
 だから、このアニメとのコラボで売り出せないか、と本社に提案したのだ。
 会社は速攻でアニメ会社に連絡を取り、コラボを取り付けてくれた。小さな会社だからこそのフットワークだ。

「こんなに売れますかねえ」
「売れる! ってか、売る! 君たち、がんばってみんなを幸せにするんだよ!」
 晴佳はめらめらと闘志を燃やし、並べられた靴に発破をかける。
 ポップの中ではアニメの主人公が、靴を履いて元気に飛び跳ねていた。



 翌週の店長会議。
 コラボの結果が店長たちに伝えられた。各店とも順調に売り上げを伸ばしており、晴佳は内心でガッツポーズをした。
「今回は連携してうまくミスをフォロー出来ました。指示待ちではなく、店長からの提案であったことをうれしく思います。お客様も喜んでくれたようです。今後も提案があればどんどん上げてください」
 部長がそう言って会議をしめた。
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