悲劇のセイレーンにささやかな愛を



「ごめん、気が利かなかったよな……!じゃあ俺、そこで待ってるから」



パタパタと駆けて行った彼女を見送り、服のエリアに戻る。

俺からも何かプレゼントしておきたいし。

彼女が選んだ服はどれもシンプル系だった。
それに加えて、短パンや長いズボンが多く、スカートは一つもない。


どうしても、俺は澪がロングスカートが似合うと思うんだよな。

そう思い、淡いブルーの地に白の小花が散った模様の七分丈のスカートをカゴに入れた。

さらに紫の薄いカーディガンを選ぶ。本当はもっと買ってあげたいけど、抑えとかないと。


そして戻ってきた澪とレジに並び、プレゼントの服はバレずに購入。

店を出て、近くのイタリアンレストランで昼食を取った後は俺のおすすめの雑貨屋に向かった。

小さい家具など、色々な物が売っている。

そこで俺は澪用の食器などを選び、澪はヘアアクセサリーのエリアに向かった。


俺とお揃いのコップにするか……いや、それは引かれるかな。

悶々と考えていると、目の前にスッと出された一つのコップ。

人魚のシルエットが印刷された水色のコップを差し出してきたのは、やっぱり澪だった。



「これがいいの?」


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