悲劇のセイレーンにささやかな愛を
3
「あ、おはよ。朝ご飯できてるから」
声をかけると、ニコッと頷く澪。
彼女が着ているのは、俺と同じ学校の制服。
澪がどうしても『学校に行きたい』と言って聞かないため、急遽彼女を転入させてもらうことになったからだ。
しかも、先生方が気遣って俺と一緒のクラスにしてくれたらしい。
「大丈夫?本当に教室行ける?」
そう聞くと、『子供扱いしないで!』と膨れられた。
「行ってきます」
『行ってきます』
二人で家を出て、歩いていると。
「はよー、紫水!……って誰だよその超絶可愛い子」
「……こんな日まで早くなくていいんだけど」
「ん?なんて?」
「なんでもない」