悲劇のセイレーンにささやかな愛を
昼休み。
弁当を食べ終わった澪の周りがあっという間に取り囲まれた。
「水流園さん?漢字ってどう書くの?」
『水流園。変な苗字だよね。堅苦しいから澪って呼んで欲しいな』
「やっべー、まじ可愛い!タイプとかある?」
『タイプ?優しい人かな?』
「家ってどこら辺にあるのー?」
『家?えっと』
「俺の家」
「「「「「……え⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」」」」」
「!!!」
「え、何その目。別にいいだろ隠さなくても……はっ、もしかして澪は嫌だった?まずいどーしよ」
たじろいでいる澪に助け舟を出したつもりだったんだけど……まずかったか?ああもう後戻りできない。
『や、大丈夫!私はいいから!びっくりしただけ』
「書くスピードはっっっっやいね!」
そこへ秋斗がひょっこりと顔を出してきた。
……澪の肩越しに。