悲劇のセイレーンにささやかな愛を





「澪!次理科室だから一緒に行こ〜」

『彩芽、ありがとう』

「えへへ〜紫水、うらやましい?」

「俺は別に澪が楽しければそれでいい。……それより凰牙をなんとかしてほしいんだが」



翌日。

澪は持ち前の優しい雰囲気と笑顔で、既にクラス中と打ち解けていた。

彩芽ともすぐに仲良くなったらしく、



『彩芽と親友になったよ!』



と今朝ニコニコで報告してきた。

……いや、親友ってそんなすぐなれるか?



「わー、さすが凰牙、紫水より全然やべーな!独占欲丸出しかよ」

「いくら嫉妬したとはいえ澪を怖がらせるのは許さないからな」

「こっわ」

「……さすがに女子には何もしないから安心しろ」

「こっっっわ」



今日もいつも通り少し狂ってる凰牙と笑顔で言い合う俺らを見て肩をすくめる秋斗。

彩芽はそんな俺らにも気づかず澪と笑い合っている。

澪のあんなキラキラな姿を見れるなら、逆に彩芽には感謝だけどな。



「昨日も思ったけど、澪ちゃんのお弁当クオリティ高いんだね!」

「うわ、本当だ!」

「誰が作ってるの?」

「俺だけど?」

「……」


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