イケメンから抜け出したい

「そうそう、それです」





「えっ、近っ」




私は思わず、そのナントカ学園に行くことを肯定するような発言をしてしまった。







だけど、それも無理はないと思う。



徒歩五十分ほど。



遠いと思うかもしれないけど、これが案外近い。



自転車では二十分くらいで着くし、車だともっと速い。





「あの建物、廃墟かなんかだと思ってました。それにしてはすごいキレイだなとは思ってたんですが」




私が思ったことを言うと、校長は手を組んで言った。




「まあ、場所はそんなに知られていないですからね。でも、よく聞くと思うのですがね、和泉学園」




へえー、知らない。




なんだそれ、って感じ。




そんな私をよそに、まだ話を続ける校長。




「相澤先生も申し上げた通り、和泉学園の招待は今まで断った事例がないので、恐らく、断ることはできないのでは、と噂になっております」