愛のち晴れ 海上自衛官の一途愛が雨女を幸せにするまで
「このあとはどうする? 陽花さえよければ、カフェでデザート……は入らないか。でも、コーヒーくらいは飲んで帰ろうか」
デザートは別腹とはいうけれど、まだランチを食べ終わったばかりだ。
それでもお茶くらいは飲めるし、できればもう少し、航さんと一緒にいたかった。
結局ランチも航さんが支払ってくれたし、カフェ代くらいは私が出そう。
「はい、そうしたいです」
いろいろ考えた末に頷くと、航さんは口元にやわらかな笑みを浮かべた。
「よかった。陽花と、もう少し一緒にいたいと思ってたんだ」
そう言うと航さんは前を向く。
もう少し一緒にいたいって、また同じように思ってくれていたことが嬉しくて、胸が甘く高鳴った。
「……そうだ。俺、ちょっと買いたいものがあったから、行ってきてもいいかな?」
と、スマホ修理店まであと数メートルというところで、不意に航さんが足を止めた。
買いたいもの? なんだろう。
もしかして、プレゼント探しをしているときに気になるものでも見つけたのかな。
「もちろんです。私はその間に、スマホの受け取りを済ませちゃいますね」
「ああ。もしもすぐに受け取り終わったら、先にカフェに入ってくれてもいいから」
「わかりました。よさそうなところを探しておきます。お店が決まったら、メッセージを入れますね」
「うん、よろしく」
そうして私は航さんと別れると、ひとりでスマホ修理店に向かった。
預けていたスマホは待ち時間もなくスムーズに受け取ることができて、割れていた画面も元どおりに直っていた。
店員さんに言われたとおり、その場で動作の確認をする。
やっぱり画面が綺麗だと見やすい。次からは早めに修理に出そうと反省しながらお店を出た私は、さっそく直ったばかりのスマホを使って近くのカフェを検索し始めた。
シティマークプラザ内にも、カフェはいくつか入っている。
でも、せっかくならもともと予定していた、海沿いの街のほうにも行ってみたいな。
相変わらず外は雨が降り続けているけれど、朝に比べたらだいぶ雨脚も弱まった気がする。
もしも雨が上がれば、買い物のついでに散歩できたりしたのにな。