王子姫は旦那様に可愛いと言われたい
「っ、げほっ、けほ……っ!!」
「そんなにむせなくてもいいだろ? ほら、水」
真尋から水の入ったグラスを受け取り、ひと口飲んで気持ちを落ち着かせる。その間、彼は私の背中をさすってくれていた。
バラ園でのお姫様抱っこなんて、ロマンチックにもほどがある。
家で横抱きにされただけで恥ずかしくて堪らなかったのに、それを他の人が見ている中だなんて……想像しただけで顔から火が出てしまいそうだ。
「っ、べ、別に、私はいいよ……」
「本当に?」
「そ、それよりも……っ、この後、ショッピングモール寄って帰らない? 真尋、カッターシャツ買い足したいって言ってたでしょ?」
(私がもし、背が低くて可愛らしい女の子だったなら、素直にうなずけてたのかな?)
そう思った途端、胸がチクリと痛むのを感じた。
□
「そんなにむせなくてもいいだろ? ほら、水」
真尋から水の入ったグラスを受け取り、ひと口飲んで気持ちを落ち着かせる。その間、彼は私の背中をさすってくれていた。
バラ園でのお姫様抱っこなんて、ロマンチックにもほどがある。
家で横抱きにされただけで恥ずかしくて堪らなかったのに、それを他の人が見ている中だなんて……想像しただけで顔から火が出てしまいそうだ。
「っ、べ、別に、私はいいよ……」
「本当に?」
「そ、それよりも……っ、この後、ショッピングモール寄って帰らない? 真尋、カッターシャツ買い足したいって言ってたでしょ?」
(私がもし、背が低くて可愛らしい女の子だったなら、素直にうなずけてたのかな?)
そう思った途端、胸がチクリと痛むのを感じた。
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