王子姫は旦那様に可愛いと言われたい
「はっ……はっ……!」
ドレスショップを飛び出した私は、とにかく必死に走っていた。家までかなり距離があるものの、そんなのどうでもよかった。
とにかく私は、ドレスルームーーー自分が不似合いな空間から、離れたくて堪らなかったのだ。
「姫香!!」
後ろから真尋が名前を呼びながら追いかけてきている気配はあるが、一度も振り返らず市街地を駆け抜ける。こんなに全速力で走ったのは、高校生の時以来だ。
「っ……!?」
しばらく走ったところで、右足首に激しい痛みが走る。それは、高校時代にケガした箇所だった。
急に立ちどまることも出来ず、私は身体のバランスを崩す。
「きゃ……っ!?」
「危ない!!」
がしっと手首を捕まれ、地面に倒れ込む直前に支えられる。
私を助けたのは、息を切らせた真尋だった。
「姫香……落ち着けって」
「……っ」
「っ、どうした……!?」
立ち止まった途端、緊張の糸が切れて一気に涙が溢れ出る。
真尋が困惑しているのにも構わず、私は大泣きしてしまった。
□
ドレスショップを飛び出した私は、とにかく必死に走っていた。家までかなり距離があるものの、そんなのどうでもよかった。
とにかく私は、ドレスルームーーー自分が不似合いな空間から、離れたくて堪らなかったのだ。
「姫香!!」
後ろから真尋が名前を呼びながら追いかけてきている気配はあるが、一度も振り返らず市街地を駆け抜ける。こんなに全速力で走ったのは、高校生の時以来だ。
「っ……!?」
しばらく走ったところで、右足首に激しい痛みが走る。それは、高校時代にケガした箇所だった。
急に立ちどまることも出来ず、私は身体のバランスを崩す。
「きゃ……っ!?」
「危ない!!」
がしっと手首を捕まれ、地面に倒れ込む直前に支えられる。
私を助けたのは、息を切らせた真尋だった。
「姫香……落ち着けって」
「……っ」
「っ、どうした……!?」
立ち止まった途端、緊張の糸が切れて一気に涙が溢れ出る。
真尋が困惑しているのにも構わず、私は大泣きしてしまった。
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