王子姫は旦那様に可愛いと言われたい
今日の飲み会の目的は、真尋と私の友人たちの顔合わせである。
……というのは建前で、私の女友達一同の強い希望によりセッティングされた、いわゆる合コンだった。みんなお酒を飲みながらも、男性陣に熱っぽい視線を向けている。
(みんな……初めからがっつき過ぎじゃない?)
「そうだ、三十分ごとに席替えしません? せっかくなんで、みんなとお話ししたくて!」
「おお、いいね。そうしよう」
ちなみに、真尋の友達四人も彼女なしの方ばかりなので、誰が誰とくっついても特段問題はない。お好きにどうぞ、と思いながら、私はカシスオレンジをひと口飲んだ。
「まさか、‘‘王子姫(おうじひめ)’’って呼ばれてた姫香が結婚一番乗りだとは思わなかったよ」
友人の美海が、サラダを小皿に取り分けながら言った。
「もう、そう呼ばれてたのは、だいぶ前のことじゃない」
「……おうじひめ?」
そろって頷く女子四人とは対照的に、男子五人は首を傾げた。
「姫香って、高校時代に‘‘王子姫’’って呼ばれてたんですよ。王子様みたいに背が高くて、カッコいいから」
「へえ……」
「ちょうど、苗字と名前を短縮すると『おうじひめ』になるんで」
「ああ、なるほど」
美海の説明で、男性陣もようやく合点がいったようだ。
……というのは建前で、私の女友達一同の強い希望によりセッティングされた、いわゆる合コンだった。みんなお酒を飲みながらも、男性陣に熱っぽい視線を向けている。
(みんな……初めからがっつき過ぎじゃない?)
「そうだ、三十分ごとに席替えしません? せっかくなんで、みんなとお話ししたくて!」
「おお、いいね。そうしよう」
ちなみに、真尋の友達四人も彼女なしの方ばかりなので、誰が誰とくっついても特段問題はない。お好きにどうぞ、と思いながら、私はカシスオレンジをひと口飲んだ。
「まさか、‘‘王子姫(おうじひめ)’’って呼ばれてた姫香が結婚一番乗りだとは思わなかったよ」
友人の美海が、サラダを小皿に取り分けながら言った。
「もう、そう呼ばれてたのは、だいぶ前のことじゃない」
「……おうじひめ?」
そろって頷く女子四人とは対照的に、男子五人は首を傾げた。
「姫香って、高校時代に‘‘王子姫’’って呼ばれてたんですよ。王子様みたいに背が高くて、カッコいいから」
「へえ……」
「ちょうど、苗字と名前を短縮すると『おうじひめ』になるんで」
「ああ、なるほど」
美海の説明で、男性陣もようやく合点がいったようだ。