【マンガシナリオです】クールな彼の無自覚な求愛
本当に好きなのは
○駅、新幹線ホーム、朝
紗矢(今日は悟くんが帰る日。神崎に誘ってもらい、駅まで見送りに来た)
キャリーケースを持っている悟。
悟「春休みにでも、俺の住んでるとこ遊びに来てよ。色々案内するからさ」
紗矢「うん。楽しみにしてるね」
悟「じゃあ、またね!」
手を振り、新幹線に乗り込む。
新幹線が出発する。
紗矢(行っちゃった…)
渉「昼ごはん食べに行く?」
紗矢「あ、うん」
○洋食屋
向かい合い食べている2人。渉はハンバーグランチセット、紗矢はエビフライランチセット。
渉「…何も言わなくてよかったの?」
紗矢「えっ…」
渉「悟にずっと会いたかったんでしょ?」
紗矢「…。」
紗矢(受験の日からまた会えることをずっと願っていた。だけど、悟くんと2人で出かけた日、楽しい時間の中で、神崎の顔が頭の中にチラついて、神崎ならどんな表情するかな、神崎なら何て言うかなって考えている自分がいた)
渉の顔
紗矢(やっぱり私…神崎が好きなんだ)
○大学、門付近、朝
玲香「紗矢ー!おはよう」
紗矢「おはよう」
玲香「そういえば、お守りの彼とのデートどうだった?」
紗矢「すごく楽しかったよ」
玲香「よかったじゃん。ついにダメ男卒業できそう?」
紗矢「欠点が見つからないぐらい素敵な人だった。…だけど、恋愛じゃなかったみたい」
玲香「え?」
紗矢「なんか…ドキドキしなかったんだよね」
玲香「そっかぁ。まぁ、人として素敵なのと恋愛として好きなのは違うからね」
10月
○母の居酒屋、夜
藤野「こんばんはー」
藤野がサークルの3年と入店、計5人。
紗矢「いらっしゃいませ」
席に座る5人。
みんな「かんぱーい」
飲んで食べて楽しそうに盛り上がる。藤野のは、他の客の対応をしている紗矢を見る。
藤野(人生はタイミングだ。特に恋愛はそうだと思う)
○過去、中学校
委員会で顔を合わせた紗矢と藤野。セーラー服の紗矢と学ラン姿の藤野。
「一ノ瀬 紗矢です。よろしくお願いします」笑顔。
藤野(かわいい…)
藤野(中学で出会った時から必ずどちらかに付き合っている相手がいた)
藤野、高2。夕方、彼女と制服デート中に紗矢とすれ違う。紗矢は会釈をし、藤野は軽く手を上げる。藤野ブレザー姿。
彼女「誰ー?」
藤野「中学の後輩」
去る後ろ姿を見つめる。
藤野(高校や大学に進学しても、地元が同じだから偶然会って話す機会も多かった)
大学1年、駅で会った時。高校の制服姿の紗矢。
藤野「俺さ、バレーボールサークル立ち上げたんだよ!打ち上げとか、いっちーの母さんのお店でしてもいいかな?」
紗矢「もちろんです!ありがとうございます」
大学2年、夏休み中にコンビニで会ったとき。私服姿の2人。
紗矢「実は、先輩と同じ大学受けようと思ってて…」
藤野「まじか!俺に出来ることあったら遠慮なく言って」
紗矢にバレないように嬉しそうな顔。
○再び居酒屋
他の3年「紗矢ちゃん、おかわりお願い」
紗矢「かしこまりました!」
笑顔を見せ去って行く紗矢を目で追う。
藤野(いつからこんなに好きになったのかは思い出せない。仲の良い先輩後輩の関係から抜け出すタイミングをいつも探していた。社会に出ればたった2歳、だけど学生の2歳差は大きい。)
他の3年「紗矢ちゃんって、絶対いいお嫁さんになるよなぁ」
他の3年「わかる!料理上手で、気遣い上手だし。今って彼氏いないんだっけ?」
藤野(!!そういや、お互いフリーなのって初めてじゃね?ってことは、今がチャンスなんじゃ…)
紗矢「お待たせしましたー」
他の3年「ありがとう」
スマホに来た連絡を見て困った顔をする藤野。
次の週
○大学、中庭、昼休み
紗矢、玲香、夢がテーブルベンチでお昼を食べている。
玲香「彼女のフリ!?」
紗矢「そう。藤野先輩、別れた彼女からより戻したいってしつこく連絡が来てるんだってさ。あまりにしつこいから同じ大学に彼女出来たって嘘ついちゃったみたい。そしたら、疑ってる元彼女さんが大学祭に見に来るって言い出したらしくて」
玲香「で、その偽彼女に指名されたってわけ」
頷く紗矢。
夢「紗矢ちゃんと先輩仲良しだし、カップルに見えるから適任かもね」
紗矢「いやいや、見えないって」
玲香「モテる人も大変だね。…あ!」
玲香の視線の先、藤野と友人たちがいる。藤野もこちらに気づき、友人に先に行っといてと言い、1人で近寄ってくる。
藤野「お疲れー」
会釈する3人。空いている紗矢の隣に座る。
藤野「そういえば聞いた?」
玲香「偽彼女ですか?」
藤野「そーそー。大学祭の自由時間いっちーのこと借りるけどごめんね」
夢「元カノさんを撃退できるといいですね」
藤野「頑張ろうな、いっちー!」
肩を軽く抱く。
玲香、夢((すでにカップルにしか見えない…))
数日後。
○大学、廊下
大学祭の準備中。段ボールを2箱運ぶ紗矢。
紗矢(う、思ったより重い…)
立ち止まる。
渉「どこに運べばいい?」
急に現れた渉が段ボールを紗矢の手から自分の手に。
紗矢「え、いいよいいよ、重いから」
渉「腕折れたら困るし」
紗矢「そんなか弱くないよ!」
渉「あはっ、うそうそ」笑顔
キュンとなる紗矢。
紗矢(不意に見せるこの笑顔…ほんと好き。好きだと自覚してから、今まで以上に頭の中が神崎でいっぱいだ。学科も棟も違うから、毎日会えないのが残念だけど)
11月、大学祭
○大学
外に模擬店が立ち並ぶ。一般の人も含め、たくさんの人で賑わう。
夢と模擬店を見ながら歩く紗矢。
夢「チュロス美味しそう」
紗矢「いいね、チュロス」
チュロスを買い、タピオカジュースの店に並ぼうとする。
紗矢(あ)
足元に落とし物を見つける。
紗矢「落とし物預かりに届けてくるね。先に並んでて」
夢「はーい」
落とし物を届け、夢の元へ行く途中。
成田がいた。
紗矢「お疲れー!」
成田「一ノ瀬ちゃん、お疲れ」
紗矢「なにしてるの?」
成田「渉を待ってる。ほら、あそこ」
指差す先に渉の姿。そばにいる女子(石井)が話しかけている。渉は面倒そうな顔。
成田「大学まで会いに来るとか、あの子もすごいなぁ」
紗矢「知り合いなの?」
成田「高校の後輩なんだけど、渉のことが好きで、俺が知る限り3回は振られてる」
紗矢「ええ!?」
成田「まぁ、渉は恋愛とか好きとかどうでもいいからさぁ」
紗矢(え…)
成田「あの子がダメというより、元々彼女とか作る気ないし」
紗矢(そうだったんだ…。あれ、この恋すでに脈なし…?)
しばらく経ち、
○室内
栄養学科が展示と健康手作りスイーツの販売を行っている。紗矢もいる。
夢「紗矢ちゃん、そろそろ休憩行ってね」
紗矢「うん、ありがとう」
(先輩のとこに行かないと)
教室を出ると、ちょうど藤野が現れる。
藤野「タイミングばっちりじゃん」
紗矢「お疲れ様です。サークルの模擬店順調ですか?」
藤野「大盛況!焼きそばにして正解だったわー」
紗矢(…神崎も頑張ってるのかな)
藤野「ほい」
手を差し出す藤野。
紗矢(??)驚き、瞬きする。
藤野「手、繋ぐだろ?」
紗矢「えええ!それはダメですよ!他の人に誤解されますって!!」
藤野「俺の周りには彼女のフリお願いしたって説明してるし、何の問題もないだろ。…ってことで、今日は俺の彼女!」
笑顔を見せ、手を繋ぐ。
紗矢(ええええええー!!!)
外を手を繋ぎ歩く2人。
紗矢(案外みんな模擬店やステージに気を取られて、私たちのことなんて見てない)
藤野「何食べる?」
紗矢「焼き鳥とかどうですか?」
藤野「お、いいねぇ」
○バレーサークル模擬店
先輩「成田と神崎、休憩行っていいぞー」
成田「ありがとうございまーす」
少し歩き、
成田「あ、スマホ忘れた。少し待ってて」
スマホを見ながら待つ渉。ふと前を見ると紗矢と藤野のがいた。手を繋いでるショット。
藤野「ステージも見に行ってみるか」
紗矢「今、軽音サークルの時間ですか…ね」
話しながらふと横を見ると少し先に渉がいた。目が合う。
紗矢(あ…)
目が合う引きのショット。
紗矢(今日は悟くんが帰る日。神崎に誘ってもらい、駅まで見送りに来た)
キャリーケースを持っている悟。
悟「春休みにでも、俺の住んでるとこ遊びに来てよ。色々案内するからさ」
紗矢「うん。楽しみにしてるね」
悟「じゃあ、またね!」
手を振り、新幹線に乗り込む。
新幹線が出発する。
紗矢(行っちゃった…)
渉「昼ごはん食べに行く?」
紗矢「あ、うん」
○洋食屋
向かい合い食べている2人。渉はハンバーグランチセット、紗矢はエビフライランチセット。
渉「…何も言わなくてよかったの?」
紗矢「えっ…」
渉「悟にずっと会いたかったんでしょ?」
紗矢「…。」
紗矢(受験の日からまた会えることをずっと願っていた。だけど、悟くんと2人で出かけた日、楽しい時間の中で、神崎の顔が頭の中にチラついて、神崎ならどんな表情するかな、神崎なら何て言うかなって考えている自分がいた)
渉の顔
紗矢(やっぱり私…神崎が好きなんだ)
○大学、門付近、朝
玲香「紗矢ー!おはよう」
紗矢「おはよう」
玲香「そういえば、お守りの彼とのデートどうだった?」
紗矢「すごく楽しかったよ」
玲香「よかったじゃん。ついにダメ男卒業できそう?」
紗矢「欠点が見つからないぐらい素敵な人だった。…だけど、恋愛じゃなかったみたい」
玲香「え?」
紗矢「なんか…ドキドキしなかったんだよね」
玲香「そっかぁ。まぁ、人として素敵なのと恋愛として好きなのは違うからね」
10月
○母の居酒屋、夜
藤野「こんばんはー」
藤野がサークルの3年と入店、計5人。
紗矢「いらっしゃいませ」
席に座る5人。
みんな「かんぱーい」
飲んで食べて楽しそうに盛り上がる。藤野のは、他の客の対応をしている紗矢を見る。
藤野(人生はタイミングだ。特に恋愛はそうだと思う)
○過去、中学校
委員会で顔を合わせた紗矢と藤野。セーラー服の紗矢と学ラン姿の藤野。
「一ノ瀬 紗矢です。よろしくお願いします」笑顔。
藤野(かわいい…)
藤野(中学で出会った時から必ずどちらかに付き合っている相手がいた)
藤野、高2。夕方、彼女と制服デート中に紗矢とすれ違う。紗矢は会釈をし、藤野は軽く手を上げる。藤野ブレザー姿。
彼女「誰ー?」
藤野「中学の後輩」
去る後ろ姿を見つめる。
藤野(高校や大学に進学しても、地元が同じだから偶然会って話す機会も多かった)
大学1年、駅で会った時。高校の制服姿の紗矢。
藤野「俺さ、バレーボールサークル立ち上げたんだよ!打ち上げとか、いっちーの母さんのお店でしてもいいかな?」
紗矢「もちろんです!ありがとうございます」
大学2年、夏休み中にコンビニで会ったとき。私服姿の2人。
紗矢「実は、先輩と同じ大学受けようと思ってて…」
藤野「まじか!俺に出来ることあったら遠慮なく言って」
紗矢にバレないように嬉しそうな顔。
○再び居酒屋
他の3年「紗矢ちゃん、おかわりお願い」
紗矢「かしこまりました!」
笑顔を見せ去って行く紗矢を目で追う。
藤野(いつからこんなに好きになったのかは思い出せない。仲の良い先輩後輩の関係から抜け出すタイミングをいつも探していた。社会に出ればたった2歳、だけど学生の2歳差は大きい。)
他の3年「紗矢ちゃんって、絶対いいお嫁さんになるよなぁ」
他の3年「わかる!料理上手で、気遣い上手だし。今って彼氏いないんだっけ?」
藤野(!!そういや、お互いフリーなのって初めてじゃね?ってことは、今がチャンスなんじゃ…)
紗矢「お待たせしましたー」
他の3年「ありがとう」
スマホに来た連絡を見て困った顔をする藤野。
次の週
○大学、中庭、昼休み
紗矢、玲香、夢がテーブルベンチでお昼を食べている。
玲香「彼女のフリ!?」
紗矢「そう。藤野先輩、別れた彼女からより戻したいってしつこく連絡が来てるんだってさ。あまりにしつこいから同じ大学に彼女出来たって嘘ついちゃったみたい。そしたら、疑ってる元彼女さんが大学祭に見に来るって言い出したらしくて」
玲香「で、その偽彼女に指名されたってわけ」
頷く紗矢。
夢「紗矢ちゃんと先輩仲良しだし、カップルに見えるから適任かもね」
紗矢「いやいや、見えないって」
玲香「モテる人も大変だね。…あ!」
玲香の視線の先、藤野と友人たちがいる。藤野もこちらに気づき、友人に先に行っといてと言い、1人で近寄ってくる。
藤野「お疲れー」
会釈する3人。空いている紗矢の隣に座る。
藤野「そういえば聞いた?」
玲香「偽彼女ですか?」
藤野「そーそー。大学祭の自由時間いっちーのこと借りるけどごめんね」
夢「元カノさんを撃退できるといいですね」
藤野「頑張ろうな、いっちー!」
肩を軽く抱く。
玲香、夢((すでにカップルにしか見えない…))
数日後。
○大学、廊下
大学祭の準備中。段ボールを2箱運ぶ紗矢。
紗矢(う、思ったより重い…)
立ち止まる。
渉「どこに運べばいい?」
急に現れた渉が段ボールを紗矢の手から自分の手に。
紗矢「え、いいよいいよ、重いから」
渉「腕折れたら困るし」
紗矢「そんなか弱くないよ!」
渉「あはっ、うそうそ」笑顔
キュンとなる紗矢。
紗矢(不意に見せるこの笑顔…ほんと好き。好きだと自覚してから、今まで以上に頭の中が神崎でいっぱいだ。学科も棟も違うから、毎日会えないのが残念だけど)
11月、大学祭
○大学
外に模擬店が立ち並ぶ。一般の人も含め、たくさんの人で賑わう。
夢と模擬店を見ながら歩く紗矢。
夢「チュロス美味しそう」
紗矢「いいね、チュロス」
チュロスを買い、タピオカジュースの店に並ぼうとする。
紗矢(あ)
足元に落とし物を見つける。
紗矢「落とし物預かりに届けてくるね。先に並んでて」
夢「はーい」
落とし物を届け、夢の元へ行く途中。
成田がいた。
紗矢「お疲れー!」
成田「一ノ瀬ちゃん、お疲れ」
紗矢「なにしてるの?」
成田「渉を待ってる。ほら、あそこ」
指差す先に渉の姿。そばにいる女子(石井)が話しかけている。渉は面倒そうな顔。
成田「大学まで会いに来るとか、あの子もすごいなぁ」
紗矢「知り合いなの?」
成田「高校の後輩なんだけど、渉のことが好きで、俺が知る限り3回は振られてる」
紗矢「ええ!?」
成田「まぁ、渉は恋愛とか好きとかどうでもいいからさぁ」
紗矢(え…)
成田「あの子がダメというより、元々彼女とか作る気ないし」
紗矢(そうだったんだ…。あれ、この恋すでに脈なし…?)
しばらく経ち、
○室内
栄養学科が展示と健康手作りスイーツの販売を行っている。紗矢もいる。
夢「紗矢ちゃん、そろそろ休憩行ってね」
紗矢「うん、ありがとう」
(先輩のとこに行かないと)
教室を出ると、ちょうど藤野が現れる。
藤野「タイミングばっちりじゃん」
紗矢「お疲れ様です。サークルの模擬店順調ですか?」
藤野「大盛況!焼きそばにして正解だったわー」
紗矢(…神崎も頑張ってるのかな)
藤野「ほい」
手を差し出す藤野。
紗矢(??)驚き、瞬きする。
藤野「手、繋ぐだろ?」
紗矢「えええ!それはダメですよ!他の人に誤解されますって!!」
藤野「俺の周りには彼女のフリお願いしたって説明してるし、何の問題もないだろ。…ってことで、今日は俺の彼女!」
笑顔を見せ、手を繋ぐ。
紗矢(ええええええー!!!)
外を手を繋ぎ歩く2人。
紗矢(案外みんな模擬店やステージに気を取られて、私たちのことなんて見てない)
藤野「何食べる?」
紗矢「焼き鳥とかどうですか?」
藤野「お、いいねぇ」
○バレーサークル模擬店
先輩「成田と神崎、休憩行っていいぞー」
成田「ありがとうございまーす」
少し歩き、
成田「あ、スマホ忘れた。少し待ってて」
スマホを見ながら待つ渉。ふと前を見ると紗矢と藤野のがいた。手を繋いでるショット。
藤野「ステージも見に行ってみるか」
紗矢「今、軽音サークルの時間ですか…ね」
話しながらふと横を見ると少し先に渉がいた。目が合う。
紗矢(あ…)
目が合う引きのショット。