宵にかくして



 
「も〜えまちってば小動物みたいでほまにかわいい。一生餌付けしてたい」
 
「わかる。頬袋につめこみたい」


ふたりの独特な言い回しに苦笑いをしながらも、もぐもぐと口を動かしていると、ふと隣から視線を感じた。


窓の外を眺めているように見えるけど、頬杖をついたまま、視線だけをこちらに流しているような様子。


 
「(……どうしたんだろう?)」


ぱちりと窓越しに視線が重なると、不和くんはふわりと穏やかな笑みを浮かべるから、思わず笑い返してしまう。


すると、そんな一連の流れを見ていたのか、にこにこ顔の紬ちゃんがお菓子の箱を不和くんの方へ差し出す。

 

「あ、すばるんも食べる?」 

「ごめん、今糖質制限してるんだ」

「そっかあ、さすが人気モデル……!意識高いねえ」


申し訳なさそうに眉を下げてやんわりと手を振る秋月くん、……そんな彼に感心する様子な紬ちゃんを横目に、こころの中でこっそりと首を傾げる。


昨日の夜、ラウンジで激辛麻辣タンメンの空箱を見たのは、私の気のせいだったのかな……?


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