フィクションですよね⁉︎〜妄想女子の初恋事情〜
キラキラと輝くあの目に強く惹かれたのに、曇らせるようなことを自分はした……。
 
しばらくすると、会社の最寄り駅に近づいたことを知らせるアナウンスが流れる。倫は気持ちを切り替えて、後輩に確認する。

「僕は一旦会社に戻るけど、君は?」

「自分はこのままいくつか回ってから帰社します。……あ、でも書類を社内に届けてからでないとダメなんだった。時間がもったいないけど一緒におります」

「だったら、僕が届けようか?」

「え、いいんですか?」

「いいよ、それくらい」
 
営業部に戻る際に、該当部署に寄るくらい、たいした手間ではない。

「ありがとうございます!」
 
彼はビジネスバックから封筒を取り出して、倫に向かって差し出した。

「経理課の植島課 長宛です。よろしくお願いします」
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