フィクションですよね⁉︎〜妄想女子の初恋事情〜
楓と違ってずっと会の中心にいて相当飲まされていたはずなのに、相変わらず爽やかさをキープして、はははと伊東は笑った。
でも楓はその言葉の通りに受け取れない。なぜなら、楓が参加したことで伊東の評判が上がったのを感じたからだ。
『経理さんにも声をかけるなんて、伊東くんって本当気遣いができるよね。私も見習わなきゃ』という声が、飲み会の途中でもチラホラと聞こえていた。
感謝してるなんて口先だけで、もしかしたら自分は彼のイメージアップのために呼ばれたのかもしれないとすら思う。
だとしたら、すごい演技力。
なんてことを考えていると、なんだかおかしく思えてくる。
「藤嶋さん、大丈夫?」
心配そうに覗き込む伊東を、じっと見る。
——めんどくさいな 、弱いならアルコール飲むなよ。
アテレコまで聞こえてきて思わず唇が緩みそうになる。誤魔化すために、グラスに残っているウーロンハイをぐいっと飲み干した。
危ない危ない。危うく笑ってしまうところだった。
「大丈夫れす」
「……大丈夫じゃないな。このままじゃ僕が山口さんに叱られる。そろそろ帰ろうか。駅まで送るよ」と伊東に促されて楓は飲み会から辞することになる。
でも楓はその言葉の通りに受け取れない。なぜなら、楓が参加したことで伊東の評判が上がったのを感じたからだ。
『経理さんにも声をかけるなんて、伊東くんって本当気遣いができるよね。私も見習わなきゃ』という声が、飲み会の途中でもチラホラと聞こえていた。
感謝してるなんて口先だけで、もしかしたら自分は彼のイメージアップのために呼ばれたのかもしれないとすら思う。
だとしたら、すごい演技力。
なんてことを考えていると、なんだかおかしく思えてくる。
「藤嶋さん、大丈夫?」
心配そうに覗き込む伊東を、じっと見る。
——めんどくさいな 、弱いならアルコール飲むなよ。
アテレコまで聞こえてきて思わず唇が緩みそうになる。誤魔化すために、グラスに残っているウーロンハイをぐいっと飲み干した。
危ない危ない。危うく笑ってしまうところだった。
「大丈夫れす」
「……大丈夫じゃないな。このままじゃ僕が山口さんに叱られる。そろそろ帰ろうか。駅まで送るよ」と伊東に促されて楓は飲み会から辞することになる。