フィクションですよね⁉︎〜妄想女子の初恋事情〜
あ〜ダルかった〜と 思いながら、倫は夜の街を歩いている。
北川の誘いに乗って飲みにいき、穏便に解放されたのは三時間後のことだった。
紹介してもらった店は確かにいい店で、酒通なら飛びつくメニューのラインナップだった。偏屈だという大将の攻略にも成功して『伊東くんの知り合いならいい酒出すよ』と言ってもらえた。
実りある時間だったけれど、後半の一時間がしんどかった 。
北川からの、また今度ふたりで会いません? 攻撃をかわすのに辟易としていたからだ。
彼女曰く、自分はいい店をたくさん知っているとのことだったが、それ以外の目的がかくれんぼしている状況ではこれ以上は危険すぎる。
"日曜日の昼間だけやってる隠れ屋的フレンチレストラン"なんて冗談じゃない。会社帰りに流れで飲みにいくくらいならともかく、なんで休みの日にまで不必要に会社の人間と会わなければならないん だと思う。
と、そこで妙な違和感を覚える。
そうだ。男だろうが女だろうが、会社の人間と休みの日に会うなんてダルすぎる。普段なら徹底的に避けるべき案件だ。
それなのに、なんで俺は藤嶋楓をデートになんか誘ったんだ?
まったく意味不明な行動だが、考えてみれば、彼女に関してははじめからそうだった。
一緒にいると、今までの自分ではいられなくなる。
彼女からなにかおかしな電波が出てるんじゃないかと思うくらい、調子が狂いIQが下がる。
しかも足ツボマッサージを受けている時のように、自分でも知らなかった痛いところを突かれるのだ。
『伊東さんも恋したことなかったりして』
まさか、と一瞬思ったが、その通りで愕然とした。
倫は女性と付き合ったことはあるけれど、本気で誰かを好きになったことはない。
北川の誘いに乗って飲みにいき、穏便に解放されたのは三時間後のことだった。
紹介してもらった店は確かにいい店で、酒通なら飛びつくメニューのラインナップだった。偏屈だという大将の攻略にも成功して『伊東くんの知り合いならいい酒出すよ』と言ってもらえた。
実りある時間だったけれど、後半の一時間がしんどかった 。
北川からの、また今度ふたりで会いません? 攻撃をかわすのに辟易としていたからだ。
彼女曰く、自分はいい店をたくさん知っているとのことだったが、それ以外の目的がかくれんぼしている状況ではこれ以上は危険すぎる。
"日曜日の昼間だけやってる隠れ屋的フレンチレストラン"なんて冗談じゃない。会社帰りに流れで飲みにいくくらいならともかく、なんで休みの日にまで不必要に会社の人間と会わなければならないん だと思う。
と、そこで妙な違和感を覚える。
そうだ。男だろうが女だろうが、会社の人間と休みの日に会うなんてダルすぎる。普段なら徹底的に避けるべき案件だ。
それなのに、なんで俺は藤嶋楓をデートになんか誘ったんだ?
まったく意味不明な行動だが、考えてみれば、彼女に関してははじめからそうだった。
一緒にいると、今までの自分ではいられなくなる。
彼女からなにかおかしな電波が出てるんじゃないかと思うくらい、調子が狂いIQが下がる。
しかも足ツボマッサージを受けている時のように、自分でも知らなかった痛いところを突かれるのだ。
『伊東さんも恋したことなかったりして』
まさか、と一瞬思ったが、その通りで愕然とした。
倫は女性と付き合ったことはあるけれど、本気で誰かを好きになったことはない。