皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「今回の公募制……けっこう皆、困っているみたいよ。」

淡い藤色のドレスに身を包んだイザベルは、昔と変わらず大人しくて控えめ。

けれど、言葉の選び方には、いつも優しい知性がにじんでいる。

「皇太子殿下が十八歳の時、婚約されなかったでしょう? あの時に“うちの娘かもしれない”って思って、婚約話を止めた貴族が──今、大はしゃぎしてるらしいわ」

隣でくすっと笑ったのは、リディア・エルセリナ。

金の髪をまとめた聡明な令嬢。スクール時代も、彼女の知識と論理性には舌を巻いたものだ。

「父も、“チャンスがあるのなら、才覚ある娘を送り出すべきだ”って、言ってたわ。私、応募させられた。」

きっぱりとした口調に、私は一瞬、言葉を失った。

リディアは私を見て、真っ直ぐに微笑んだ。

「セレフィーヌ。あなたも、出るのでしょう?」

私は、少しだけ目を伏せた。

「ええ。私も──戦うことにしたの。」

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