皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
選ばれるだろう、だと?

私は、誰よりも努力してきた。

この国の歴史も、礼儀作法も、舞踏のすべてを叩き込まれ、

皇太子妃として“相応しい者”になるよう、日々を捧げてきた。

それでも……まだ足りないというの?

“自らの意思で愛を証明しろ”だなんて、まるで……

まるで私は、今ここで、“白紙”に戻されたような気分だった。

胸の奥で、熱く煮えたぎるものが生まれる。

この人は、私を選ばなかった。

でも──私に戦いを挑ませたのだ。

だったら、受けて立つ。

この私、セレフィーヌ・エストレアが──

あなたにとって、唯一無二の妃であることを。

この手で証明してみせましょう。

しばらくして、屋敷の応接間に二人の来客があった。

私の幼い頃からの友人──イザベル・フィネリアと、リディア・エルセリナ。

広間に入るなり、イザベルがそっと微笑んで言った。
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