皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「孤児であっても、この国の未来を担う人材であることに変わりはない。人々は、その意義を理解し、納得して税を払うと私は思う」

その言葉に、私は言葉を失った。理屈では反論できない。

否、反論すべきではないと、心が囁いていた。

なぜだろう。殿下の言葉が、正論として、まっすぐ心に響くのだ。

アレシオ殿下は、孤児を「憐れむ存在」ではなく、「未来を創る存在」として見ている。

その視点に、私は圧倒されていた──。

「私の意見に、間違いがあるのなら正して欲しい。」

アレシオ殿下のその言葉に、私は胸を突かれた。

まるで、私を信頼してくれているような響きだった。

けれど、王族である殿下の意見に「間違いがある」などとは、簡単に口にできることではない。

私はただの一公爵令嬢。

王族ではない立場の私が、それを指摘するなど──本来なら許されないこと。

だがこれは、皇太子妃としての資質を試される“試験”なのだ。
< 101 / 234 >

この作品をシェア

pagetop