皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
そこに立っていたのは──アレシオ殿下の母、王妃陛下だった。

「あなたがセレフィーヌね。」

凛とした佇まいと穏やかな微笑み。

その気品に、私はすぐに膝をつき、頭を下げた。

「はい、王妃陛下。」

「そんなにかしこまらなくていいのよ。」

そう言って、王妃様は優しく私の手を取った。

「アレシオが“女友達”を連れて来るなんて初めてだったから、どんな方かと思っていたの。でもエストレア公爵家の令嬢と聞いて、ようやく納得がいったわ。」

まるで私を歓迎するような口ぶりに、胸が熱くなった。

それはまるで──この恋が祝福される未来を、ほんの少し予感させるようで。

「セラフィーヌ。率直に、あなたはアレシオをどう思っているの?」

王妃陛下の問いに、私は驚きつつも、逃げることはできなかった。

手をぎゅっと握りしめる。

「……正直、心惹かれています。」

それは嘘のない、私の本音だった。
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