皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「……はい。お望みなら、何度でも会いに来ます」

そう答えると、アレシオ殿下はほっと息をつき、私の手をそっと取った。

「君がそばにいるだけで、心が安らぐ。執務中も、何度も君のことを考えてしまう」

「私もです。……ずっと、殿下のことを」

手と手が触れ合う。けれど、それ以上は何も交わさずに、二人で静かに微笑み合った。

それだけで十分だった。想いは、すでに言葉以上に伝わっていたから。

「今日はその……」

アレシオ殿下がそっと私を抱き寄せ、低く囁いた。

「泊まっていけるだろうか。」

胸がドクンと跳ねた。頷くしかできなかった。

「……はい。アレシオがそうしたいというのなら。」

拒めるわけがない。今の私は、恋に溺れている。
この人の甘い声も、温もりも、すべてに。

「ディナーは、君の好きな物にしよう。」

「恐れ多いです……!」

頬が熱くなる。

けれどすぐに、耳元にそっと落ちてくる声。

「俺がそうしたいんだ。」

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