皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「いえ、何を言っても……皆さんの心には届かないでしょう。」

私の声が、静まり返った広場に響いた。

先ほどまでの熱狂が嘘のように、観衆は息をひそめて私を見つめている。

「ですが……」私は深く息を吸い込んだ。

「私にはこの国を想う気持ちと、そして──」

視線を、まっすぐアレシオ殿下へ向けた。

「皇太子殿下を、愛する強い思いがあります!」

一瞬の沈黙。誰一人として声を発しない。

風の音さえも止んだような静寂に、心臓の鼓動が響く。

「その想いが、未来の国王である殿下を支え、やがてはこの国の発展に繋がると……私は、信じています!」

震える声で、最後の言葉を叫ぶように言った。

そして私は深く一礼した。

静けさの中で、やがて民衆からざわめきが起こる。

「あれが未来の王妃か?」
「皇太子殿下への愛だけでは、ちょっと……」
「感動したけど、国を動かす器なのか?」

囁き声はまるで波のように広がっていった。
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