皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「同じことよ。正式な妻になるのは私。結婚したら……別れてくれるわよね?」

アレシオ殿下は静かに立ち上がると、手元のナプキンを握りしめ──それをテーブルに叩きつけた。

「不愉快だ!」

その声に、侍女たちがぴくりと震える。

「セラフィーヌは一生、俺の側に置く。誰にも否は言わせない!」

「ふふ……だったら、いいわ。」

マリアンヌ皇女は一歩、アレシオ殿下に近づく。

「いくら囲っても、彼女の息子が皇太子になることはないわよ。正妻の子でなければ、玉座は継げないのだから。」

私は、呼吸を止めた。

──これは、あくまで“愛人”の扱いなのだ。

マリアンヌ皇女は、その立場を突きつけに来た。

「……申し訳ありません。」

私は静かに席を立ち、頭を下げた。

「お先に失礼します。」

このままいたら、泣いてしまいそうだった。

「セラフィーヌ!」

振り向かずとも、足音でわかった。

あの人が、私を追ってくる。
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