皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
だが――その数歩のあと。

力が抜けるように、その場にしゃがみ込んでしまった。

「ううっ……」

声にならない嗚咽がこぼれる。

誰にも聞かれないように、震える両手で口元を押さえた。

違う……

こんなはずじゃなかった。

計画通りのはずなのに――

こんなにも、この人に、心を奪われていたなんて。

それだけは、想定外だったのだ。

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